108 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 14:15:16.92 ID:xbjUxd8J0
生徒一人の死を経て、算数の授業は終了した。

徳川「独歩ォッ!どっぽォ!」

放置された死体に、独歩の友人である徳川がすがりつく。
徳川は皺だらけの顔をされにくしゃくしゃにし、涙を流していた。

烈「最早授業では無いッッ」

烈海王が怒りを顕にする。
彼もまた、独歩の友人であった。

ジャック「俺の父が・・・スマナイ」
烈「あの化け物が相手では仕方あるまい
  しかし、このままというワケには―」

その時、一人の格闘者が二人の元へ現れた。

バキ「ごぶさたァ・・・」
ジャック「バキッッ」



135 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 14:23:54.54 ID:xbjUxd8J0
バキ「兄貴・・・弁当忘れてたぜ」
ジャック「あ、ああ」
バキ「アレ・・・何で愚地さん死んでンの・・・」
烈「・・・ッッ」

烈は先ほどまであった怒りを何とか沈め、冷静に、バキに成り行きを話した。

バキ「いるのかッッ!?範馬勇次郎が!?」
ジャック「ああ」
バキ「〜ッッッ」
烈「君たち二人には悪いが、私は勇次郎氏に教師をやめてもらうつもりだ
  一日限りとは言え、このままでは何人の生徒が―」
バキ「烈さん」

烈の発言を、バキが遮る。

バキ「俺にできることないッスか」
烈「バキ君ッッ」

二人が互いに握手を交わす。
その二つの拳を覆うように、さらに大きな手が乗せられる。

ジャック「ともかく、目的は一致したというワケだ」
バキ「兄貴・・・」
烈「ジャック・・・」

ここに三人のグラップラーが集結した。




142 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 14:30:42.80 ID:xbjUxd8J0
その頃、職員室では―

栗谷川「失礼します・・・」
柳「あっ、栗谷川先生・・・ッッ!」

栗谷川に用件を伝えようとした柳は、その背後にいる人物を見て、思わず言葉が途切れてしまった。
最悪の保護者、範馬勇次郎の姿。

勇次郎「邪魔するぜェ・・・」

その一声で、柳以外の職員達も異常を察知した。

柳「は、範馬さんッッ」
ドリアン「ワッツ!?」
ドイル「何故・・・ッッ」
スペック「oh・・・」

栗谷川「彼は、その・・・今日一日学校見学をしたいということで・・・」

栗谷川が遠慮がちに話す。
彼を連れて来たことを申し訳なく思っているようでもあった。

勇次郎「ついでに一日教師体験もやらせてもうらことになった」
柳「・・・ッッ」



155 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 14:35:35.85 ID:xbjUxd8J0
ドイル「とにかく、校長の意見を・・・」
オリバ「松尾校長は出張中だ」

ドイルに返事をしたのは、教頭であるオリバだった。
この場にいる職員で、彼だけが平然としている。

オリバ「ユージロー、また無茶を言いにきたのかい」
勇次郎「ヘッ」
オリバ「いいぜ、好きなようにやったらいい」
栗谷川「教頭ッッ!いいんですかッ!責任問題ですよッッ!」

とうとう栗谷川が、勇次郎に否定的な態度を見せた。
しかしオリバも勇次郎も、全く相手にしていない。

オリバ「ただし・・・」

オリバは一旦言葉を置いて、園田主任を指差す。

オリバ「責任は全部任せたぞ、ソノダよ」
園田「ェエ〜〜〜ッッ!?」



168 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 14:41:37.48 ID:xbjUxd8J0
教室に戻った勇次郎は、一時間目とは違う、熱の篭った雰囲気を察した。
ともかく教卓に授業に必要な道具を置き、二時間目の授業、理化を始めようとした時
不意に烈が立ち上がった。

勇次郎「どうした」
烈「我々は貴方を教師とは認めないッッ」

烈の単刀直入な意見に、勇次郎は鷹揚な態度で応じる。

勇次郎「それで?」
烈「次の授業、我々をテストしていただきたいッッ」
勇次郎「テスト?」
烈「それで貴方が納得できる成績を残したならば―」
勇次郎「大人しく帰ってくれ、というワケだ」



176 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 14:45:44.33 ID:xbjUxd8J0
ジャックが立ち上がった。

ジャック「父よ―受けてくれるかい」

続いて加藤が立ち上がる。
先ほどとは打って変わって、強気な態度で発言する。

加藤「アンタはお呼びじゃねェんだよ!」

加藤の友人、末堂が立つ。

「館長やられて黙ってられるかよォッッ!」

烈達の勇気に感化され、次々と立ち上がる生徒達。
しかし勇次郎に動揺の色は無い。



186 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 14:53:20.79 ID:xbjUxd8J0
勇次郎「お前ェさん達、勘違いしてねェかい」
烈「―ッッ」

勇次郎の闘争好きな性格故、恐らくこの申し出を受け入れるだろう。
烈はそう考えていた。そうなると信じきっていた。
それだけに、勇次郎の否定的な態度は想定外だった。

勇次郎「俺がここへ来た理由、それは―息子の通う学校の環境を、己の目で確かめる為だ」

勇次郎の口から、烈の期待を裏切る言葉が吐き出されていく。

勇次郎「成績だけで学校が測れンのかい」

烈「・・・ッッ」

勇次郎「イジメの有無がわかるのかい」

烈に言葉は無かった。
言い返しようの無い、真っ直ぐな意見。

勇次郎「だが―面白れェ」

俯きかけた生徒達の顔が一斉に上がる。

勇次郎「三時間目―運動場にて待つッッ」



197 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 15:00:15.90 ID:xbjUxd8J0
6年B組―鎬兄妹が通うクラスである。

昂昇「兄貴ッッ」

騒がしくやってきた弟に、忌々しげな一瞥をくれるのは
昂昇の兄、鎬紅葉だ。

紅葉「何を慌てているんだ昂昇」
昂昇「範馬勇次郎が、この学校にッッ」
紅葉「―ッッ」

紅葉は一瞬にして真剣な面持ちになる。

紅葉「そ、それでッッ!?」
昂昇「A組の連中が挑戦を挑んだ」
紅葉「バカな・・・ッッ」
昂昇「それを範馬勇次郎は受けた」
紅葉「死ぬ気か・・・」



206 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 15:07:27.91 ID:xbjUxd8J0
栗谷川「校長ッッ!大問題ですッッ!」
松尾「うっせェなァ・・・今ウチの大会で急がしいんだぜ」

栗谷川からの連絡を受けた松尾校長は
苛々とした口調で応じていた。

栗谷川「範馬勇次郎氏とッッ、A組の生徒がッッ、決闘をッッ!」
松尾「―ッッ」

範馬勇次郎。
その名を耳にして、松尾の態度は急に真面目なものになった。

栗谷川「死人がでますよッ!いえッ、もう出ていますッ」
松尾「バカヤロウ・・・なんでもっと早く言わなかった」
栗谷川「申し訳ありませんッ、この責任はッ、園田主任にありましてッ」
松尾「見逃すところだったじゃねぇか・・・範馬勇次郎の闘争をよ」
栗谷川「え・・・」
松尾「すぐに戻るぜ」

松尾はすぐに迎えを呼び、己が勤める学校へと向かった。
松尾は、この上なく嬉しそうな笑みを浮かべたまま、送迎の車内に乗り込んだ。



213 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 15:12:25.26 ID:xbjUxd8J0
学校全体にチャイムが鳴り響く。
三時間目の始まりを示す音だ。

グラウンドには勇次郎とA組の生徒達が対峙していた。
人数に圧倒的差があるにも関わらず、生徒達は気迫で完全に負けていた。

勇次郎「よく来たな」

仁王立ちで迎える勇次郎。
その後ろにあるのは、白い粉で囲まれた50m走のコース。

烈「ところで・・・バキ君はどうした」

烈がジャックに尋ねる。

ジャック「あいつは学年が違うからな、自分の授業に出ているんだろう」
烈「そうか・・・」



223 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 15:16:30.11 ID:xbjUxd8J0
勇次郎「ここに50m走のコースがあるッッ」

生徒達にも見慣れた、お馴染みのものだ。
普段なら軽い気持ちで走るこのコースも、最早生死を分かつ運命のコースだ。

勇次郎「こいつで俺と競争してもらう」

今の一言で、既に生徒達の半数が諦めの表情を浮かべた。
烈やジャックも、諦めとまではいかずとも、やや自信のない様子だ。

烈「競技によっては手のうちようがあると思っていたが―」
ジャック「ここまで直接的な肉体勝負とはッッ」



228 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 15:21:11.11 ID:xbjUxd8J0
勇次郎「さァ、まずはどいつだい」
末堂「俺だッッ」

勢いよく申し出たのは末堂厚だった。

末堂「靴は脱いでも―」
勇次郎「構わねェ」

末堂は乱暴にシューズを脱ぎ捨て、スタートラインに着く。

末堂「館長の仇だ」

勇次郎は応じず、黙ってスタートラインに着く。
走る構えも見せず、ポケットに手を入れたまま仁王立ちでいる。

末堂「舐めてんのかよ」
勇次郎「キサマごときハネッ返りには、こいつで充分だ」

栗谷川の手によって銃声が鳴らされる。
スタートを先に切ったのは末堂だ。



232 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 15:25:27.01 ID:xbjUxd8J0
末堂「(こちとら裸足で100m11秒だぜ―)」

末堂は得意気になって走る。
背後にも人の気配は感じない。

末堂「(勝ったッッ―)」

ゴール手前、そう確信した瞬間だった。
背中に、刃物が当たる感覚がした。
気づいた時には、上半身がのけぞり、視線は遥か上空を見ていた。

加藤「末堂ォォッッ!」

末堂の体が崩れ落ちる。



243 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 15:30:13.56 ID:xbjUxd8J0
ジャック「無防備な背中への蹴り・・・ッッ」
加藤「あんなのアリかよッッ!」

誰もが不服の声を漏らしていた。
しかし、勇次郎の常識を逸した発言に、またしても遮られる。

勇次郎「こいつは徒競走じゃねェんだぜ
     50mというルール上の闘争だ」

栗谷川「(無茶苦茶だッッ)」
烈「なんという・・・ッッ」



254 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 15:35:01.68 ID:xbjUxd8J0
勇次郎「次ッッ」
烈「私だ」
ジャック「列ッッ、無茶だッッ」

ジャックは既に諦めかけていた。
この勝負、結局は単純な闘争である。
その時点で、勇次郎相手に勝ち目が無いということは既に誰もが悟っていた。

烈「私が少しでも範馬氏にダメージを与える」
ジャック「そんな方法・・・ッッ」
烈「後は頼んだッッ」

ジャックに背を向け、烈は堂々と歩き出した。
向かう先は、スタートライン。



262 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 15:43:40.76 ID:xbjUxd8J0
範馬「中国4000年・・・楽しめそうだ」

勇次郎の挑発的な笑みを無視して、烈はスタートラインに着く。
勇次郎の構えは、先程とは違う、腰を低くした体制になっている。

ジャック「(勇次郎が構えているッッ)」

ジャックの驚愕と共に、銃声が鳴り響いた。

烈「邪ッッ」

烈は初めから走る素振りも見せず、勇次郎に向かって拳を向けた。
不意打ちのような形で繰り出された攻撃だが、勇次郎の反応は速い。

勇次郎「シッ」

タイミングを合わせ、カウンターを狙った勇次郎の頭に
突然、何かが降りかかってきた。


勇次郎「ヌウッ」
烈「か、加藤ォォッッ」



272 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 15:50:35.90 ID:xbjUxd8J0
勇次郎の頭に降りかかったもの、それは加藤が投げた石灰の袋。
衝撃で袋の中身が飛び出し、勇次郎の頭部を石灰が覆う。

加藤「勝てばいいってよォ・・・」

瞼を閉じた勇次郎の目に向かって、三本の指を突き出す加藤。

加藤「(やったッッ)」

しかしその指は、勇次郎の額に命中した。
勇次郎が意図的にずらしたのだ。

加藤が青褪めた時には、既に勇次郎の右足が動き出していた。
的確に加藤の股間をとらえ、モノは完全に機能しなくなった。

白目を剥いた加藤が、前かがみで倒れる。



282 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 15:55:18.05 ID:xbjUxd8J0
しかし勇次郎の相手がいなくなったわけではない。
烈の拳が勇次郎の腹部に密着している。

ジャック「(寸頸ッッ―)」
烈「墳ッッ」

気合の篭った烈の一声の後に、勇次郎の体が吹っ飛ぶ。
勇次郎は何事も無く着地したが、コースから大きく外れた場所にいた。

烈はここぞとばかりに、ゴールに向かって走り出す。

烈「(問題は無い―50mまでならッッ)」



287 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 15:59:40.88 ID:xbjUxd8J0
勇次郎が物凄いスピードで烈を追う。
しかし烈の速度も並ではない。
距離は徐々に縮まっていくが、50m間ならば充分に逃げることができる距離だった。

烈「(イケるッッ)」

しかし烈の思考はそこで一度途切れた。
頭部に強い衝撃を受けたのだ。

ジャック「靴ッッ」

勇次郎が飛ばした靴が、烈の頭部に命中していた。
思わず立ち止まる烈の三つ編みを、勇次郎の手が掴む。

そのまま烈の顔へと手を移し、車のハンドルを回すように、思い切り烈の顔を回した。



306 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 16:09:17.27 ID:xbjUxd8J0
勇次郎「中国の歴史・・・堪能したぜェ」

勇次郎の愉悦の一言を合図に、烈が倒れた。
口から泡を吹き、生気を感じさせない目をしている。
体はピクリとも動かない。

ジャック「烈ッッ!」

烈に駆け寄るジャック。

ジャック「ドクターッ!ドクターッ!」

ジャックは懸命に救助を呼ぶ。
しかし生徒達の体は凍りつき、誰一人として助けを呼びに行こうとはしない。

勇次郎「まだやるかい」
ジャック「キサマ・・・ッッ」
勇次郎「どの道、俺の相手ができるのもお前ェ達くらいのもんだろう
     あの連中じゃ話にならねェ」

勇次郎が指差したのは、ごく平凡な子供達。
大半の生徒達が失禁している。
この勝負に希望のある生徒は一人もいない。
ただ無事に家へ帰れることを、ひたすらに祈るのみだった。

勇次郎「次で最後だッッ」



310 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 16:11:03.16 ID:xbjUxd8J0
ジャック「もしも負けたら―」
勇次郎「四時間目は体育だッッ」
ジャック「(殺されるッッ)」

勝たなければ、勇次郎の一日教師は終わらない。

ジャック「(どうやってッッ)」

ジャックは益々焦るばかりだ。

ジャック「(どうやってあの化け物を―ッッ)」
バキ「兄貴・・・」

突然現れたのは、弟のバキだった。



322 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 16:16:38.56 ID:xbjUxd8J0
ジャック「バキ・・・お前、授業は・・・」
バキ「抜け出してきた」

その際に一悶着あったのだろう、バキの顔にはできたての傷がいくらかあった。
血と汗が大量に流れ、息も絶え絶えだ。

バキ「そんなことより兄貴・・・この勝負―」

バキが一呼吸おく。

バキ「次で終わるぜ」
ジャック「・・・ッッ」

誰もが覚悟していた結末。
最早どうすることもできない。

ジャックは観念し、無言のまま歩き出した。


この記事のURL | 2008.01.15(Tue)00:46 | 漫画SS | 
 
最近の記事表示
ブックマーク
オススメ記事
プロフィール
トップ絵募集中です
過去ログ
カテゴリー&RSS
ブログ内検索
人気な記事
ACCESS
ホームページ アフィリエイト レンタルサーバーFC2ブログ 通販 テンプレート配布ページ