1 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 12:23:18.68 ID:GvlyAKUq0
勇次郎「起きろッッ!朝だッッ!」
ジャック「おはよう・・・」
勇次郎「さァ・・・朝飯だぜ。喰いな」
ジャック「うッ、美味いッッ!」

バキ「親父・・・」
勇次郎「どうしたバキよ」
バキ「今日、体調が悪いんだけどさ・・・」
勇次郎「・・・テメェ」
バキ「学校・・・休んでも・・・いいかな」
勇次郎「この腑抜けがッッ!」



15 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 12:46:28.44 ID:xbjUxd8J0
ジャック「行って来る・・・」
勇次郎「フン・・・朝から辛気臭ェ野郎だ」

ふと勇次郎はある想像をした。

勇次郎「(―イジメッッ)」

姿勢良く歩きながら学校へと向かうジャック。
勇次郎は心なしか、その背中が寂しそうに見えた。

勇次郎「・・・阿呆が」

勇次郎はこっそりとジャックの後を追った。



17 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 12:54:11.67 ID:xbjUxd8J0
6年A組の担任を受け持つ栗谷川は、HR開始時間よりもやや遅れてやってきた。
そして教室の前に立つ人物を見て、ひどく驚愕した。
逃げ出したい衝動にも駆られたが、下手に逃げれば、逆に叩きのめされることは
これまでの経験から熟知していた。

勇次郎「よォ・・・栗谷川よ」
栗谷川「は、範馬さんッ!」
勇次郎「・・・少々気が抜けているんじゃねェのかい」
栗谷川「お、おっしゃる意味が・・・」
勇次郎「お前ェさんに教師が務まるのかって聞いてるのさ」
栗谷川「〜〜ッッ」

ドア越しに、A組の生徒達の騒がしい声が聞こえる。
担任が来るまで、生徒達は決して自ら席に着くことはない。
指導力不足の証明。
勇次郎の周囲が、蝋燭の火の様にゆらゆらと揺れだした。




19 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 12:57:57.29 ID:xbjUxd8J0
勇次郎「ならばテストをしてやろう」
栗谷川「テスト・・・?」

勇次郎はズボンのポケットから缶コーヒーを取り出した。
若干温度が下がっているものの、まだ温もりは残っている。

栗谷川「(ぶつけるッッ!?)」

栗谷川は警戒したが、勇次郎はごく普通の動作で缶を開け、コーヒを飲み始めた。

グビ・・・グビ・・・

ものの10秒足らずで、缶の中は空になった。



20 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:03:44.53 ID:xbjUxd8J0
勇次郎は空になった缶を、ポイと床に投げ捨てた。

勇次郎「さァ、ポイ捨てをする生徒がここにいるぜ」
栗谷川「せ、生徒ォ?」
勇次郎「ものの例えだバカヤロウ」

栗谷川は理解した。
これは己の指導力を問うテストなのだということを。
その答えを、目の前に立つ人物に叩きつけろという命令であることを。

栗谷川「(指導をッッ―しかし、この化け物を相手にどうやって―)」

ただの不良生徒ならば、問題なく指導をする自信があった。
教師歴15年のキャリアには、そう思わせるだけの確かな経験があった。
しかし、範馬勇次郎という存在が相手では、また話が違うのである。

勇次郎「不良生徒はキッチリ指導しなきゃなァ」

勇次郎が一歩、前へ歩み出た。

勇次郎「どうした教師よ。間合いだぜ」
栗谷川「〜〜ッッ」



26 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:09:16.88 ID:xbjUxd8J0
ジャック「範馬勇次郎・・・」

勇次郎の背後で囁くようにジャックが言った。
その声に、対峙していた二人の視線は一点に集中する。

栗谷川「ジャック・・・」

栗谷川は思わず安堵の笑みを浮かべた。
今学期のこいつの成績は―オールAだ。
そんなことを密かに思った。

ジャック「何か用か」
勇次郎「フン、この教師の指導力を確認しに着ただけだ。一保護者としてしてな」
ジャック「栗谷川先生に問題点は無い。さァ、もういいだろう」
勇次郎「なら―」

勇次郎が一旦言葉を止め視線を移す。
その先は教室。
6年A組の、ジャックのいる教室だ。

勇次郎「あちらさん達はどうかな」



28 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:13:12.81 ID:xbjUxd8J0
ジャック「キサマ・・・」

ジャックがあからさまに嫌悪の視線をぶつける。

ジャック「俺のクラスメイトを疑うつもりかッッ」
勇次郎「友人関係の把握も、保護者の務めだぜ。なァ先生」
栗谷川「エッ?ハっ、ハイッ!」

安堵に浸っていた栗谷川の心身が、勇次郎の突然の問いによって再び緊張に襲われる。
問いの意味をろくに理解せず、反射的に返事をしてしまった。

ジャック「先生・・・あなたまでッッ」
栗谷川「ま、まァまァ、様子を見るくらいいいじゃないか・・・」



33 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:20:05.67 ID:xbjUxd8J0
栗谷川「それじゃあ、範馬さんには今日一日だけ授業見学をしていただくということで・・・」
勇次郎「教師よ」
栗谷川「は・・・」

栗谷川は一瞬で察した。
何か、とんでもないことを言われると。

勇次郎「今日一日―俺がこのクラスを受け持つ」
栗谷川「ェエ〜〜〜ッッ!?」
ジャック「バカなッッ」

栗谷川、ジャック共に、思わず大声を上げて驚愕してしまった。
その騒ぎはA組の教室内にも響き渡り、生徒達が何事かと
一斉に教室から出てきた。

勇次郎「よォ、今日一日、俺がお前ェらの担任だ」

この乱暴な挨拶を合図に、勇次郎先生の授業が始まる。



37 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:25:49.38 ID:xbjUxd8J0
ヒソヒソ・・・ヒソヒソ・・・
生徒達が小声で囁き合う。
十数年間、彼らが経験した短い人生の中に、範馬勇次郎のような教師の存在は無い。
そのことが、クラス全体を無言のパニックに陥れた。

加藤「ありゃぁ体罰上等ってタイプだぜ・・・」

ジャックの友人、加藤清澄が小声で囁く。

ジャック「加藤ッッ、私語は禁物だッ」

ジャックが同じように小声で注意をする。
クラスの秩序維持云々ではなく、加藤の身を案じての発言だった。

加藤「何いい子ちゃんぶってんだよォ」



42 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:30:10.90 ID:xbjUxd8J0
勇次郎「カァッッ!」

勇次郎が一喝した。
窓ガラスがビリビリと震え、いまにも割れそうになっている。
生徒達の囁き声が止み、静寂が生まれた。

勇次郎「加藤だったか」

勇次郎が視線で加藤を指す。
加藤は体を強張らせたまま動くことができない。

勇次郎「返事をしろッッ」
加藤「ハィィッ!」

加藤は勢い良く返事をすると共に、誰に言われるでもなく起立をした。

勇次郎「HR中の私語・・・やはりキサマの指導力不足が窺えるな、栗谷川よ」
栗谷川「も、申し訳ありません」
勇次郎「放課後の特別指導―楽しみにしておけ」
栗谷川「(聞いてないッッ―)」



46 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:33:51.85 ID:xbjUxd8J0
勇次郎「加藤よ・・・」

勇次郎は柄にも無く、優しさを含んだ声で言った。

勇次郎「バケツを持って廊下に立ってろッッ!」
加藤「はいッッ」

加藤は逃げるようにして教室を飛び出た。
掃除用具入れから慌てた手つきでバケツを取り出し、水を汲みに水道場へ走る。

勇次郎「廊下は走るなッッ」
加藤「ヒィィイッ!」

加藤の移動速度が急激に落ちた。



52 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:39:44.55 ID:xbjUxd8J0
加藤は水を汲み、教室の前へ戻ってきた。
バケツ持ち―その情けない格好が、廊下の窓ガラスにうつる。
それを見て軽く赤面したが、あの地獄のような教室にいるよりかは随分とマシに思えた。
しかし、その安堵もつかの間、勇次郎が廊下へ出てきた。

勇次郎「加藤よ・・・」

勇次郎の声に怒りが篭っていることを悟り、失禁寸前にまで恐怖する。

勇次郎「キサマがバケツに入れるべきは、水ではない」
加藤「え・・・」
勇次郎「邪ッ」

勇次郎の蹴りが炸裂した。
加藤の持つ二つのバケツが、蹴りの衝撃で破裂した。
加藤の足元が水浸しになり、変形したバケツが廊下に転がる。



55 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:42:40.92 ID:xbjUxd8J0
勇次郎「これだッ」

勇次郎が差し出すバケツ。
その中に入っているものは―

加藤「(鉄アレイッ)」

バケツの中には、黒く光る鉄アレイが盛られていた。

勇次郎「重さにして50kg、小学生の罰としては充分だ」
加藤「(持てってのかよッ―これをッ)」

バケツが加藤の手に移ると、勇次郎はすぐに教室へ戻った。

勇次郎「授業再開だッッ」



59 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:44:18.31 ID:xbjUxd8J0
訂正
授業再開→HR再開



69 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:50:15.40 ID:xbjUxd8J0
HRが終わり、学校全体が5分間の休憩に入る。
この時間、6年A組の教室には3人の生徒と栗谷川教師、そして範馬勇次郎だけが残っていた。
残った生徒はそれぞれ

ジャック・ハンマー
列海王
愚地独歩


勇次郎「なかなか美味そうな生徒達じゃねェか・・・」
栗谷川「う、うまそう?」



75 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:54:36.40 ID:xbjUxd8J0
一時間目、算数の授業が始まった。
しかし生徒の何人かは、既に学級閉鎖ギリギリの人数までになっていた。

勇次郎「腑抜けどもが・・・」

勇次郎は不機嫌そうに呟きながら、算数の教科書を開いた。

勇次郎「まずは24Pの問題からだッッ、教科書を開けいッッ」

鬼の号令によって、生徒達はキビキビとした動きで
指定されたページを開く。



78 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:57:06.27 ID:xbjUxd8J0
訂正
しかし生徒の何人かは、既に学級閉鎖ギリギリの人数までになっていた。
                ↓
しかし生徒の何人かは早退し、既に学級閉鎖ギリギリの人数までになっていた。



80 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 13:59:53.47 ID:xbjUxd8J0
勇次郎「まずはこの問題だ

     林檎が5つあります
     義男君は林檎を3つ食べました
     残った林檎はいくつでしょう」

勇次郎は問題を読み終えると、林檎を5つ教卓に並べた。

勇次郎「さァ、実際にやってみるぜ。独歩ッッ、前へ出ろッッ」

突然に指名された独歩は、しばし驚いた表情でいたが
すぐに教卓の前へやってきた。



85 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 14:04:08.81 ID:xbjUxd8J0
勇次郎「林檎を3だ―割れッッ」

独歩は言われるがままに構えを取る。

独歩「こいつを割ればいいのかい」
勇次郎「オウ」

独歩はその返事に笑みを浮かべた。
狙いは正面。
林檎の先には勇次郎がいる。

ジャックは独歩のしようとしていることを読み取った。

ジャック「ドッポッ!まさかッッ」
独歩「格闘家は特攻隊じゃない。勝算の無いケンカはせんよ」

独歩はそういい終わると、正拳突きを打ち込んだ。
拳は林檎を貫き、勇次郎の腹部へと進む。



94 名前:以下、名無しにかわりまして(ry 投稿日:2008/01/14(月) 14:09:25.50 ID:xbjUxd8J0
勇次郎「悪い子だ、喰うぜ」

勇次郎が言い終わったのは、独歩の拳が勇次郎の腹筋に達する直前だった。
次の瞬間、勇次郎の踵落しが炸裂した。
カウンターの形で独歩の頭部は衝撃を受ける。
頭部は、勇次郎の打撃の勢いで、木板を突き破り床にめり込んでいた。

栗谷川「愚地ッッ」
ジャック「ドッポッッ」

駆け寄る二人の声に、ドッポの返事は無い。

勇次郎「もう死んでるぜ―」

勇次郎の非情な一言に、クラス全体が凍りつく。
泣き出す生徒や、失禁する生徒。
全てが絶望の色に包まれた。


この記事のURL | 2008.01.15(Tue)00:44 | 漫画SS | 
 
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